
ブナ君「ええっ!? ボクって母なの? 父じゃないの?」
いえいえ、違いますよ、ブナ君。
今日の話はブナはブナでも樹木のブナです。
ブナ君を知ってから、時々「ブナってどんな樹木だっけ?」と思うようになりました。
ちょっと調べたものを下記にまとめました。
ブナの成熟種子(どんぐりのこと?)は約30%が脂肪分で、総エネルギー量は1グラム当たり約7キロカロリーという高栄養価です。だから森の動物には、とても重要な食物となります。人里に下りて来るようになり問題になっているツキノワグマなども、ブナ林を必要としています。
ヨーロッパではブナ林は一年間に1ヘクタール当たり10トンの枝葉を含めた有機物を落として、土壌を肥沃にしています。これらのことからブナ林は「森の母」と呼ばれているそうです。
地表に堆積したブナの枝葉は分解され、隙間の多い土壌を作り多くの空気と水を蓄えます。水瓶の働きをし徐々に水を出すことから、ブナ林は「緑のダム」とも呼ばれています。土砂崩れも防いでくれます。
土壌中の有機物は雨水に溶け出して川を下り海に達し、その栄養分によってプランクトンが発生します。プランクトンが小さな魚を呼び、それが大きな魚を誘い、人々の生活も潤します。このため日本の東北地方では漁業関係者が、伐採跡地にブナの苗を植える運動を活発に行なっているそうです。

ブナ君「どうよ? ブナって偉いだろ」
更に以下はブナの木だけでなく、色々な種類の木に当てはまる樹木の防火効果に関する話です。
生の葉っぱは重量の50~80%が水分で、枝もまた多量の水分を含んでいます。葉は燃焼温度に達するまでに時間がかかり、約400~575度で着火すると言われています。
イチョウのように肉厚の葉を持つ植物は防火力が大きく、反対に枝葉や幹に樹脂を含む針葉樹のマツ類やスギ、葉の薄いタケ類やササ類は燃えやすいです。
◆樹木の発火温度の目安
常緑広葉樹(スダジイ、アカガシなど):約575度
落葉広葉樹(ケヤキ、コナラなど):約500度
常緑針葉樹(アカマツ、クロマツなど):約400度
防火効果の高い常緑広葉樹林を核とした樹林帯の造成が、火災の際に命を救うのです。
以上、もっと詳しく知りたい方は福嶋司著『森の不思議 森のしくみ』をお読み下さい。
場所がら動物園は樹木が多く、今年の酷暑の夏でさえ大木が作る木陰が充分に涼しかったことを、我々のような動物園に好んで通う人間は肌で知っています。
今年の夏の終わりにニュースで、皇居周辺の樹林帯の風下に位置する地域は他の地域に比べ気温が数度も低かったという測定結果を報道していました(それが皇居の存在意義を強調するかたちで紹介されたことには、多少の反発を覚えましたが)。
樹木の周辺が涼しいことは誰でも知っていることでしょうが、猛暑の最中に長時間、屋外に留まる機会の少ない都会人は、樹木の効用を忘れがちになっているのかもしれません。
身近な樹木が与えてくれる涼や安らぎに感謝する気持ちを忘れたくないものですね。
ヨーロッパではブナ林は一年間に1ヘクタール当たり10トンの枝葉を含めた有機物を落として、土壌を肥沃にしています。これらのことからブナ林は「森の母」と呼ばれているそうです。
地表に堆積したブナの枝葉は分解され、隙間の多い土壌を作り多くの空気と水を蓄えます。水瓶の働きをし徐々に水を出すことから、ブナ林は「緑のダム」とも呼ばれています。土砂崩れも防いでくれます。
土壌中の有機物は雨水に溶け出して川を下り海に達し、その栄養分によってプランクトンが発生します。プランクトンが小さな魚を呼び、それが大きな魚を誘い、人々の生活も潤します。このため日本の東北地方では漁業関係者が、伐採跡地にブナの苗を植える運動を活発に行なっているそうです。

ブナ君「どうよ? ブナって偉いだろ」
更に以下はブナの木だけでなく、色々な種類の木に当てはまる樹木の防火効果に関する話です。
生の葉っぱは重量の50~80%が水分で、枝もまた多量の水分を含んでいます。葉は燃焼温度に達するまでに時間がかかり、約400~575度で着火すると言われています。
イチョウのように肉厚の葉を持つ植物は防火力が大きく、反対に枝葉や幹に樹脂を含む針葉樹のマツ類やスギ、葉の薄いタケ類やササ類は燃えやすいです。
◆樹木の発火温度の目安
常緑広葉樹(スダジイ、アカガシなど):約575度
落葉広葉樹(ケヤキ、コナラなど):約500度
常緑針葉樹(アカマツ、クロマツなど):約400度
防火効果の高い常緑広葉樹林を核とした樹林帯の造成が、火災の際に命を救うのです。
以上、もっと詳しく知りたい方は福嶋司著『森の不思議 森のしくみ』をお読み下さい。
場所がら動物園は樹木が多く、今年の酷暑の夏でさえ大木が作る木陰が充分に涼しかったことを、我々のような動物園に好んで通う人間は肌で知っています。
今年の夏の終わりにニュースで、皇居周辺の樹林帯の風下に位置する地域は他の地域に比べ気温が数度も低かったという測定結果を報道していました(それが皇居の存在意義を強調するかたちで紹介されたことには、多少の反発を覚えましたが)。
樹木の周辺が涼しいことは誰でも知っていることでしょうが、猛暑の最中に長時間、屋外に留まる機会の少ない都会人は、樹木の効用を忘れがちになっているのかもしれません。
身近な樹木が与えてくれる涼や安らぎに感謝する気持ちを忘れたくないものですね。
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この記事へのコメント
どんぐりってブナだったんですよね。
どんぐりが転がってるとなんか幸せになります。
別にブナじゃなくてもいいけど、緑は大事です。
埋立地生活はやはり巨木が少なくて…だいぶ育ってきましたけど。
どんぐりが転がってるとなんか幸せになります。
別にブナじゃなくてもいいけど、緑は大事です。
埋立地生活はやはり巨木が少なくて…だいぶ育ってきましたけど。
動物園に通うようになり、どれ程どんぐりが森の動物達に貴重な栄養源になるのか初めて知りました。
色んな木のドングリがあるようですが、特にブナのドングリは秋のメインディッシュなのですね。
埋め立て地の方はパームツリーが道路沿いに植えられていてお洒落さを醸し出していますね。
一方我が旧市街の方は町並みはゴチャゴチャですが、所々に神社の大木がこんもりと茂っており、これもまた味わい深いです。
色んな木のドングリがあるようですが、特にブナのドングリは秋のメインディッシュなのですね。
埋め立て地の方はパームツリーが道路沿いに植えられていてお洒落さを醸し出していますね。
一方我が旧市街の方は町並みはゴチャゴチャですが、所々に神社の大木がこんもりと茂っており、これもまた味わい深いです。
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