東京都江戸川区西葛西の行船公園内にある江戸川区自然動物園のレッサーパンダを紹介しています。

2017/09123456789101112131415161718192021222324252627282930312017/11

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
本日は本の紹介です。

『北の動物園できいた12のお話』旭山動物園物語
角川学芸出版、浜なつ子 著、あべ弘士(絵)

漢字のフリガナの量から推察するに、小学校高学年あたりが本書の対象年齢だと思われます。
でも大人も読んで下さい。
日本における動物園に対する認識は、大部分の人は小学生の頃から変化していないと思われるからです。

そして本書は、伝えたいことを短い文章でキッチリと伝えています。
大きく四章に分けられた本書はそれぞれが3話構成で、合計12話です。
余計なエピソードなどに話が逸れることなく、一つの話が一つのテーマで分り易くまとめられています。

第一章のタイトルが「野生動物はペットじゃない」。
野生動物はペットでもなければ家畜でもない、人間の勝手な思い入れや都合のいい解釈の対象にもならなければ、動物の擬人化など全くの見当違いであることを、あらためて考えさせられる章です。
たぶん大部分の日本人が、ここから認識を改めないと動物園に対する見方も変わらないんじゃないかなと思います。

そして飼育係にとって動物の死が、こんなにも重いものなのかと胸が塞がれるような思いがしました。
手探り状態の飼育、巻き戻しすることができない時間、ああすれば良かった・ああしなければ良かったという後悔の一つ一つが動物達の健康と命に関わってくるのです。
動物の死が重大な出来事であるのは我々の想像に難く在りませんが、その前後の状況や感情を具体的に書かれると、命を扱う仕事って本当に本当に重い…としか言葉が出ません。

ハッキリ言って、第一章は公共の場で読んではダメです。人前で本を読みながら号泣するアブナイ人になりますよ。

第二章「4000通りの生きかた」は飼育のエピソードを、第三章「動物園のピンチ」は貧乏時代から「ととりの村」「もうじゅう館」~「あざらし館」オープンまで、第四章「にこにこ笑って生きよう」では今後の話をしています。
特に第12話「森を捨てたヒト」では、現代人の抱えるモヤッとした不安感に関してふれられており、現代のねじれた価値観を解きほぐすヒントになっています。

野生動物とは?自然とは?そして人間とは何なのかを考えるため、動物園をもっと積極的に社会の中で活用して欲しい。
そしてその入り口として、子供も大人も本書に触れてみては如何でしょうか。


<追記>フロ入ってたら書き足したい事が幾つも出て来ましたよ。
(ここから下は引用だらけです。)

第7話の「おかねのない動物園」に書いてあった、「野生動物は人間のために生きているわけではないから、飼育下であっても野生動物の世界に干渉しすぎることはしない」とか「飼育係は動物とお客さんの通訳になろう(動物から得た情報をお客さんに伝える責任がある)」という考えは印象に残りました。

第8話に書いてあった、人間が見ている時には絶対にミルクを飲まなかった子グマの話も、野生動物の生き方を考えさせられました。
「自然界においては、ほかの生き物に触られることは死を意味する」「野生動物とは人間の考え方ではまったく理解できない異質な生き方をするものだ」「動物園にいる動物達を幸せだ・不幸だと決めつけるのは、人間の勝手な見方かもしれない」という部分も、読み応えがありました。

なんだか動物園好きを自称する私も、動物たちや動物園に対する考え方を大転換した方がいいんじゃないかという気がして来ましたよ。
関連記事
コメント
この記事へのコメント
同感です。
始めましてですかな…。
動物の擬人化は大変恐ろしいもんだと学校の講義で受けたことがあります。
人間と動物・自然を同一視してしまった結果、人間は自然破壊をし、あらゆる公害や天災などしっぺ返しを受けているのかなと思います。
また、動物園の在り方自体が問題となっていました。ただ、博物館みたいに置いておくのは動物にとっていいことなのかと。
そう言った議論の中で旭山みたく動物の能力を引き出せる方法が生み出されたみたいですしね。
動物園とか公園は「野生」と接することができるスポットとして欲しいですね。
2006/04/21(金) 23:59 | URL | itoken #JalddpaA[ 編集]
楽天で送料無料だったので買ってしまいました。GWに泣かせていただきます。
2006/04/22(土) 21:05 | URL | げろっぱ #yw4sqTbg[ 編集]
図書館で予約しました。 私もGWの課題図書です!v-87
2006/04/23(日) 12:20 | URL | hide #-[ 編集]
itokenさん
お名前は随所で拝見していましたので初めてという気がしないのですが、ココでは初めましてですね。
ようこそおいで下さいました。
学校の講義で動物園と動物に関する内容の講座があるとは、そちらのご専門なのでしょうか。
講義に潜り込みたい気がしますが、サスガに「大学生ですっ」と言い張れない年齢になってしまった…。

野生動物にとって人間はまったく必要でない存在であるばかりか、自分達の生息環境を破壊するだけの無駄な存在であることを、人間はもう一度認識し直す必要があると思います。
人間は偉いと思い込んでいる人間が多すぎる。
藤原正彦著『国家の品格』を読んでいて、日本が世界のゆがみを正す鍵となるのなら、動物園や公園を通してまずは日本人が感性をニュートラルに戻す事から始めるのがいいのではないかと感じたりしました。
暴論かつ話と話の間をすっ飛ばした論理でスミマセン。
2006/04/23(日) 14:00 | URL | yo-co #w4Ib0zSU[ 編集]
げろっぱさん
私は図書館で借りたのですが、やっぱり買おうかどうしようか思案中。
ただでさえ狭い部屋と容量満杯の本棚に、既に動物関係の本や雑誌がこぼれ落ちそうなのです。
現在の動物の窮状を記した本を読むと心が空しくなりますが、動物園に行って実際に動物たちの顔を見るとその空しさがスッと晴れるのが不思議です。
2006/04/23(日) 14:07 | URL | yo-co #w4Ib0zSU[ 編集]
hideさん
風邪をひいた時、こりゃ寝込むなと予感したので図書館に走って制限一杯の本を借り出したのですが、旭山動物園関係の書籍は多くなりましたねぇ。
『〈旭山動物園〉革命』が図書館にあるなら一緒にGW課題図書にどうぞ。
こちらは風太君関連の記述があり、騒動から一年が経過した今だから納得できる部分があります。
2006/04/23(日) 14:23 | URL | yo-co #w4Ib0zSU[ 編集]
どうもです。実を言うと、ここでブナ君を見てからますますレッパンにハマってしまいました。

私の母校は動物専門ではなく、何でもありな学部でした。環境学で動物関連は取り上げられることが多いですね。
でも、動物の擬人化は宗教関連の講義でした。宗教観と動物の関係ってあるみたいですね。
動物とヒトの関係は多角的に見るとより深く考えさせられますよ。
ヒトは食物連鎖のヒエラルヒーの頂点の点の部分にいると思い込んでるのがダメでしょうね。

んで、『国家の品性』は極に右っぽいので読んでないんですが、公園はともかく自然や野生と触れあうことが重要だと思いますよ。

で、大学だと年齢は関係ないですよ(^^)社会人向けの講義もありますし。大丈夫ですよ~。
2006/04/24(月) 23:45 | URL | itoken #JalddpaA[ 編集]
itokenさん
> 動物の擬人化は宗教関連の講義でした。
これは新鮮な驚き!宗教方面にも動物について追求できる糸口があるのですね。
環境問題に関しては動物園に通うようになって、身近な問題として感じるようになりました。
やはりそこで生きる動物たちをナマで見ると、多少なりとも実感が湧きます。

ブナ君は単独でいる時には、ひたすら放飼場をぐるぐるぐるぐる周回していてあまり話題にもできないのですが、時々人間観察したり高い所から周囲を眺めている姿を見ると「カワイイ」というより、何か力強さを感じるのです。
2006/04/25(火) 22:31 | URL | yo-co #w4Ib0zSU[ 編集]
長いログになって申し訳ないです。
宗教に甲乙をつけると問題になりますのですが、原始宗教は自然崇拝というのもあり、日本の古い宗教は自然との調和していたと思います。実際、宗教の中に輪廻転生や殺生は避けるという教えもありますしね。

ある意味、ブナ君が次男坊を襲ってる(?)のもある意味自然なんですよね。次男坊をブナ君は自分のテリトリーを荒らすオスと思っていますから…。「カワイイ」よりも「怖い」を感じるようになると言うことが大事だと思いますが、レッパンはかわいいと思ってしまいますねぇ…(^_^;)。
2006/04/26(水) 00:19 | URL | itoken #JalddpaA[ 編集]
禁をおかして電車で読んでしまいました。やばかったです。花粉症のふりをしました(T_T)
2006/04/27(木) 12:31 | URL | げろっぱ #yw4sqTbg[ 編集]
itokenさん
ブナ君と息子達のような関係は、穏やかな性格の父親の場合は起きないのかも知れませんね。
レッサーパンダの性格によって飼育方法や展示方法を変えるのがいいのか、もっと研究が進んでくれることを願っています。
2006/04/29(土) 00:19 | URL | yo-co #w4Ib0zSU[ 編集]
げろっぱさん
嗚呼、電車の中で読んでしまったのですね…。
人間がどうしたよりも、野生動物の生き方を人間が知らなすぎることに涙が出ちゃうのです。
2006/04/29(土) 00:23 | URL | yo-co #w4Ib0zSU[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://redpandamaniax.blog59.fc2.com/tb.php/22-e05edf3c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。